東工大、ナノ粒子触媒を用い貴金属触媒を使わずバイオマスからプラスチック原料を合成

東京工業大学の研究グループは、貴金属触媒を使わずにバイオマスからポリエチレンフラノエート(PEF)の原料である「2,5-フランジカルボン酸(FDCA)」を効率的に合成することに成功した。

貴金属触媒を使わずバイオマスからプラスチック原料を合成
~最適構造の二酸化マンガン触媒の開発に成功~
2019.1.8 東工大ニュース

ポリエチレンフラノエート(PEF)は、ポリエチレンテレフタレート(PET)の代替材料として注目されている。PEFは再生可能な生物由来の原料(バイオマス)から合成することができ、PETに比べて高いガスバリア性や、高い熱安定性などの特徴を持っている。

PEFはPET同様、エチレングリコール(EG)とジカルボン酸を重合して得られるポリエステルであるが、ジカルボン酸に石油由来のテレフタル酸ではなく、生物由来の2,5-フランジカルボン酸(FDCA)を用いる。

具体的には、糖類の熱分解などにより5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を合成し、さらに触媒の存在下、HMFを酸化しFDCAを合成する。

触媒としては、一般的に貴金属触媒が候補としてあげられるが、本研究では安価で入手しやすいマンガン酸化物に着目している。

FDCA合成に有効なマンガン酸化物の結晶形態を理論計算と実験双方から調査し、β-MnO2が有効であることを見出した。またβ-MnO2触媒のナノ粒子化に成功し、FDCA収率の大幅アップに成功したとのことである。

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