発泡プラスチックは、無数の気泡を有するプラスチックの総称で、断熱性が高く、軽量でプラスチックの使用量も削減できるため、断熱材や軽量材をはじめ、さまざまな工業材料に用いられている。
発泡プラスチックを製造する方法としては、CO2などの発泡ガスをポリマー中に溶解、圧力変化等でガスを膨張させて発泡体を製造する方法(物理発泡プロセス)や、アゾジカルボンアミドのような発泡剤をポリマー中に分散、熱分解によりガスを発生させて発泡体を製造する方法(化学発泡プロセス)などがある。
いずれの製法でも、発泡体の気泡のサイズは通常小さくてもせいぜいミクロンオーダーだが、もし気泡のサイズを均一なナノサイズの状態(ナノセルラーフォーム)にすることができれば、今まで以上に透明性が高く、断熱性を向上させることが可能になるといわれている。
そういった中、(国研)産業技術総合研究所と先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)の研究グループは、NEDOプロジェクトにて微細プラスチック発泡の新たな手法を開発した。
これによると、ナノ粒子を従来の核剤のような発泡の起点として用いず、ポリマーから発生する気泡の成長と合一の「抑制剤」として用いることで、気泡のサイズを揃え、均一分散の発泡体を得ることができたとのこと。
今後、計算科学を用いた設計と実際の試作、評価の三位一体で開発期間を短縮し、光透過性と高い断熱性を有する材料の開発を目指していくとのことである。