非晶質Niナノ粒子の触媒としての有効性を確認

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これまで、白金やパラジウムといった貴金属のナノ粒子は、比較的高い触媒活性を有しており、触媒材料としての研究が世界中で進められている。しかし、貴金属は希少で高価なため、実用化のためにはコストダウンが課題であった。

一方、ニッケルや鉄、コバルトといった卑金属のナノ粒子は、安価である一方、容易に酸化しやすいため安定的にナノ粒子を合成するのが難しく、合成できたとしても、従来の方法で合成したナノ粒子は触媒活性が低いという問題があった。

今回、阪大・JST・産総研の共同研究グループは、きわめて高い触媒活性を有する15nm以下の微小な非晶質ニッケルナノ粒子の合成に成功し、その特異な触媒活性メカニズムを世界で初めて明らかにした。

身近な製品の大幅コストダウンにもつながる成果
小さな触媒格納庫
~非晶質ニッケルナノ粒子の特異な触媒機能を初めて明らかに~

2015.10.5
大阪大学・科学技術振興機構(JST)・産業技術総合研究所共同発表(JSTウェブサイト)

これによると、得られたニッケルナノ粒子は非晶質で、炭素ー炭素結合形成反応に対する触媒性を示し、その触媒活性は同じ手法で作成した貴金属ナノ粒子よりも強かったとのことである。

触媒性が強い理由として、結晶性のニッケルナノ粒子より非晶質のニッケルナノ粒子のほうが触媒作用を起こすニッケル原子の放出と回収が起こりやすいためだと考えられている。

ニッケルナノ粒子は、ニッケルアセチルアセトナート錯体を有機ケイ素化合物で還元することによって得られるとのことで、金属錯体の種類を変えることによって、他の卑金属ナノ粒子合成への応用が期待できる。

本研究の成果は、コスト的にも安価な卑金属材料を使用できるため、工業化にも有利であると考えられ、実用化に向けた研究開発のいっそうの加速が望まれる。

【ウェブサイト】

科学技術振興機構(JST)プレスリリース