近赤外光を青色光にアップコンバージョンするナノ粒子

nano_170218_2

エネルギーの高い光をエネルギーの低い光に変換(ダウンコンバージョン)する材料はよく知られており、一例として蛍光体材料があげられる。青色(短波長)の光を黄色(長波長)に波長変換する材料は、LED照明などに広く応用されている。

しかし、エネルギーの低い光をエネルギーの高い光に変換(アップコンバージョン)するには、複雑な変換機構が必要とされ、世界中で研究が進められている。変換機構として、以前より提唱されていた多光子吸収では、レーザーのような強力な光を必要とされていたが、近年、三重項三重項消滅の機構で、太陽光程度の弱い光でもアップコンバージョンが確認され、実用化に向けた研究が加速しつつある。

そういったなか、青山学院大学理工学部 長谷川美貴教授、石井あゆみ助教らの研究グループ(aoyama.ac.jp)は、近赤外の光をそれよりも高いエネルギーの青色光に「アップコンバージョン」する新規ナノ粒子の開発に成功した。

それによると、希土類(イッテルビウム)と有機分子(マヤブルー系色素)を階層型に吸着した構造を持つツリウム酸化物ナノ粒子で、輝度の低い赤外光でも青色光に変換することができるとのこと。

アップコンバージョンの応用例としては、人工光合成や太陽電池の効率向上などがあげられる。太陽光のスペクトルには、太陽電池の発電にうまく利用されていない波長領域があり、本研究のように長波長の光を短波長に変換することができれば、太陽電池の発電で利用されていない光を有効に利用することができる。