酸化鉄ナノ粒子 (Iron oxcide nanoparticles)

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名称:酸化鉄ナノ粒子、Fe3O4(マグネタイト)ナノ粒子
(英語名)Iron oxcide nanoparticles, Fe3O4 nanoparticles

酸化鉄の種類として、マグネタイト(Fe3O4)、マグヘマイト(γ-Fe2O3)、ヘマタイト(α-Fe2O3)、ゲータイト(α-FeO(OH))ナノ粒子があげられる。

なかでも、マグネタイトやマグヘタイトは、磁性材料として盛んに研究がなされている。

酸化鉄ナノ粒子の特徴と応用例、用途

医療用材料への応用

酸化鉄ナノ粒子の中でも、たとえばマグネタイト(Fe3O4)は、粒子径の小さなナノ粒子状態(およそ10nm以下)では超常磁性を示すため、粒子同士が自身の磁力によりくっついて凝集することがなく、血液中で凝集せず分散安定性を保つことが可能になる。

ナノ粒子の中でも、10nm以下のように特に小さいサイズになると、血管の内皮細胞の間隙を通り抜け血管外の細胞に入っていくため、酸化鉄ナノ粒子表面に抗体を修飾することにより、腫瘍細胞等に選択的に酸化鉄ナノ粒子を導入できる。

酸化鉄ナノ粒子は、MRIに対して造影作用があることから、MRIの造影剤(イメージング材料)への応用が期待されている。また、交流磁場高周波に応答し発熱するため、温熱療法(磁気ハイパーサーミア)への応用が期待されている。

記録材料への応用

世界中の情報機器から生み出される情報量が急速に増大している中、磁気テープが大容量磁気記録媒体として再び注目を集めている。

磁気テープの記録材料として、酸化鉄粒子が広く用いられているが、粒子をナノレベルまで微細化することによって、記録密度を高めることが応用が期待されている。

磁性流体への応用

酸化鉄ナノ粒子を液体に高濃度で分散したものは、磁場をかけると酸化鉄と一緒に液体も引き寄せられるため、磁性流体として利用される。

磁性流体は、ハードディスクの回転軸部分のシール材や、各種センサー、ダンパーなどに応用されている。

顔料への応用

酸化鉄は地球上に豊富に存在し、昔から赤色顔料や黒色顔料として用いられている。酸化第二鉄(Fe2O3)は、赤色を示し、古くは古代洞窟の壁画や、神社の鳥居などにも用いられ、弁柄(ベンガラ)といった名称でもよく知られている。

顔料をナノ粒子化すると、透明性が増し、彩度が向上する。隠ぺい性は逆に低下するため、透明感や光の透過が必要な用途への応用が期待されている。

酸化鉄ナノ粒子の製造・販売業者等

Sigma-Aldrich(シグマアルドリッチ(日本)

エア・ブラウン株式会社(arb-ls.com

戸田工業株式会社(todakogyo.co.jp

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