全固体リチウムイオン電池のNEDOプロジェクト(第2期)開始

(国研)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6月15日、全固体リチウムイオン電池(LiB)の研究開発プロジェクトの第2期を開始したと発表した。

全固体リチウムイオン電池の研究開発プロジェクトの第2期が始動
―産学官の力が結集する体制を構築し、EV用途での早期実用化を目指す―
2018.6.15
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

電気自動車(EV)用途などへのLiBの早期実用化がのぞまれるなか、産官学の力が結集するプロジェクト体制を構築し、世界に先駆けた実用化開発や評価方法の開発を行い、日本主導での国際規格化を目指す。

プロジェクトの期間は、2018-2022年度の4年間。研究開発費用の総額は100億円を予定しており、第1期(2013-2018年度)の23億円と比べて大幅な増額となっている。

現在、リチウムイオン電池のエネルギー密度は従来型の液体電解質のもので約200Wh/kg程度。それを現在研究が盛んな硫化物系固体電解質(第1世代)の最適化設計により2025年には300Wh/kgを目指す。

さらに現在よりもイオン電導性の高い、硫化物系固体電解質(第2世代)の開発や、安定性の高い酸化物系固体電解質(第3世代)の開発により、2030年には400Wh/kg、2035年には500W/kgと大幅な性能向上を目論む。

EV用バッテリーの技術シフトの想定
出典:NEDOニュースリリース(2018年6月15日)

全固体LiBの実用化のためには、初期性能および長期性能の向上と長期安定性、長期信頼性の向上、量産プロセスの確立などが求められる。

中でも、固体電解質や電極の原子レベルの組成最適化、ナノレベルの構造最適化が重要で、マテリアル・インフォマティックスを活用し、効率的に候補材料を探索する取り組みも始まっている。