ナノ粒子のサイズ・粒度分布測定評価

ナノ粒子は、ミクロンサイズの微粒子よりもさらに小さく、ミクロンサイズ微粒子用の解析装置が使えない場合が多いので、注意が必要である。ここでは、ナノ粒子のサイズ評価に使用する一般的な装置を紹介します。

気体中に分散したナノ粒子(エアロゾル)の粒子径、粒度分布評価

レーザー回折式粒度分布測定装置(レーザー回折法)

粒子にレーザー光を照射し、回折・散乱光の方向、強度と分布を解析して粒度分布を求める。解析には、分散媒(気体)と粒子の屈折率のデータが必要。

長所:
短時間で計測結果が得られる。
測定原理がシンプルで、装置を小型化できる。

短所:
解析で近似するため、実際の分布と同じとはいかない場合がある。
粒子の形状因子(繊維状など)が考慮されず、球状粒子として扱われる。

微分型静電分級器(DMA)を用いたナノ粒子の粒度分布測定

DMAとは、粒子を帯電させて、帯電粒子の帯電量と粒子径によって異なる粒子の電気移動度を利用し、粒子の分級を行う装置である。分級した粒子の量をエレクトロメーターやCPC1)のようなパーティクルカウンターで計測することにより、粒度分布を求めることができる。

長所:

測定できる粒子径範囲が広い(1-1000nm)。
分級を行うため、比較的正確な粒度分布が求められる。

短所:

分級~粒子計測と装置が複雑になりやすい。
粒子の形状は区別できない。

1) 凝縮粒子カウンター(Condensation Particle Counter)。ナノ粒子を溶媒蒸気の凝縮で太らせて、光散乱でも検出しやすいサイズにして粒子の個数を計測する装置。

液体中に分散したナノ粒子分散液の粒子径、粒度分布評価

動的光散乱法(光子相関法)

粒子にレーザー光を照射し、粒子のブラウン運動によって生じる散乱光の揺らぎを解析して粒度分布を求める。解析には、分散媒の粘度のデータが重要。

レーザー回折法

気体中での評価を参照(上記)

ナノ粒子の観察

走査型電子顕微鏡(SEM)

ナノ粒子の観察には、SEMの中でも分解能が高い、電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)が適している。粒子の形状や粒度分布、表面状態が観察できる。

透過型電子顕微鏡(TEM)

ナノ粒子の形状や粒度分布が観察できる。また、電子線回折を用い、粒子の結晶性や結晶構造の解析も可能。

走査型透過電子顕微鏡(STEM)

ナノ粒子の形状や粒度分布が観察できる。また、組成の違いや結晶構造、欠陥を観察できる。

原子間力顕微鏡(AFM)

コロイドプルーブAFM法が1992年にDuckerによってLangmuirに発表され、AFMを用いた液中でのナノ粒子評価が可能になった。