ナノコーティング(ナノ薄膜)

ナノコーティングとは、
ナノメートル(nm)オーダー*の厚みの薄膜を形成する成膜技術の総称です。

*1nm=10-6mm
1ナノメートル=百万分の1ミリメートル

コーティング膜の膜厚は、薄いもので1nm程度、単分子膜~数分子からなる分子レベルのごく薄いものから、数十nmの厚みのものまであります。

ナノコーティングは、その薄さゆえに厚みが問題になる箇所にも問題なく使用でき、透明性を保ちながら、いろいろな機能を付与することができます。

例えば、撥水性、親水性、帯電防止性、防汚性、抗菌性、UVカット性、遮熱性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐熱性、ガスバリア性といったさまざまな機能と透明性を両立する、機能性コーティング膜が開発され上市されています。

たとえば、透明でガスバリア性や耐摩耗性をもつ機能性ナノコーティング膜としては、DLC(Diamond-like Carbon)膜が知られています。

DLC膜はダイヤモンドとグラファイト(黒鉛)の中間の構造を持つ炭素の膜で、緻密で酸素や二酸化炭素などのガスを通しにくいといったすぐれた性質があり、ペットボトルなどの飲料容器の内面にコーティングして内容物の劣化防止に役立てられています。

DLC膜を施したペットボトルはわずかにコーティング膜特有の干渉模様がみられるものの透明で、通常のペットボトル同様に内容物を確認できます。

また、DLC膜の摩擦や摩耗に強い点、極薄膜で厚みの影響が出にくい点を生かして、自動車エンジンのピストンやバルブ、ギアなどの摺動部品、ドリルや刃物などの切削工具やハードディスクなどの精密部品などにも利用されています。

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