ナノ粒子コーティングとは、平板やフィルム、粒子(粉体)などの各種基材の表面をナノ粒子膜で被覆することを指し、ナノ粒子材料を応用した多くのコーティング製品が知られています。
ナノ粒子の持つ特異な機能を有するコーティング膜が得られるため、ナノ粒子の種類や組成を変えることで、さまざまな機能を各種基材上に発現させることが可能です。
ナノ粒子コーティングプロセス
平板上へのナノ粒子コーティング
一般的な方法としては、塗布プロセスがあげられます。
これは各種溶媒に分散したナノ粒子分散液(塗料)を、成膜装置を用いて平板やフィルム上に塗布、ナノ粒子膜を形成するプロセスです。
成膜装置には刷毛やバーコーターのような簡易的なものから、スプレーコーターやロールコーターのような連続大量生産に適したものまでさまざまです。
膜特性をじゅうぶん発揮するには、通常膜に含まれる不純物が少ないことや、膜の厚みが均一であることが求められており、生産性や成膜コストを保ったうえで、より精密に成膜できるプロセスの開発が求められています。
粒子(粉体)上へのナノ粒子コーティング
粉体上へナノ粒子をコーティングするには、前述の塗布プロセスが使えないため、液相中でのコーティングプロセスが一般的に用いられています。
具体的には、粉体とナノ粒子原料を溶媒中に共存させ、液相中でのナノ粒子の合成と同時に粉体表面にナノ粒子を析出させる方法が代表的です。粉体表面に膜厚の揃ったナノ粒子膜をコーティングすることが可能です。
また、粉体とナノ粒子を溶媒中に同時分散させて、粉体表面にナノ粒子を付着させる方法も提唱されている。
ナノ粒子コーティングの応用例
各種光学薄膜
反射防止膜
波長選択膜(UVカット、赤外線カット)
電気特性制御
透明導電膜
帯電防止膜
機械特性制御
ハードコート(耐擦傷性)
その他
各種濡れ性制御(親水性・撥水性、親油性・撥油性)
防汚性付与
抗菌性付与