金属アレルギー発症には金属ナノ粒子が関与の可能性

大阪大学の研究グループによると、金属アレルギー発症のメカニズムについて、金属イオンから生体内外で生成する金属ナノ粒子が金属アレルギーを引き起こす可能性を見出し、世界で初めてマウスでの実験モデルを確立したとのこと。

金属アレルギーの発症には、金属イオンではなく、金属ナノ粒子が引き金となり得ることを見出すとともに、ヒト金属アレルギー病態と一定の免疫学的共通性を有する金属アレルギーモデルを初めて確立した。

大阪大学プレスリリース(2016.6.10)

金属アレルギーはアクセサリーや時計などの金属製の装飾具に接触する皮膚などに見られ、汗などで溶けだした金属成分が何らかの影響を及ぼしていると考えられていた。しかしながら、その詳しいメカニズムはよくわかっていなかった。

今回、大阪大学の研究グループは、マウスを用いた金属アレルギー発現の実験を行い、

・当初考えられていた金属イオンがアレルギー発症の引き金になるのではなく、
生体内外で発生する金属ナノ粒子がアレルギー発症の引き金になっている可能性があること

・金属ナノ粒子の中でも、金属イオンを溶出しうるナノ粒子で、
アレルギーを引き起こす可能性があること
(シリカナノ粒子では確認できなかった)

・金属アレルギー応答は、Th17性の免疫応答であること

金属ナノ粒子がリンパ節への移行媒体として作用すること
・リンパ節で金属イオンを放出、アレルギーを誘起している可能性

など、

金属アレルギーに関する新しい知見を次々と発見した。

今回の発見によって、金属アレルギー発症のメカニズムの解明が進み、金属アレルギーの予防法治療法確立に向けた研究開発が進むことを期待しています。

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