【基盤材料技術】IoT時代を支えるナノ粒子

IoT(Internet of Things)時代の到来。

色々なサービスがこれから生み出され、あらゆるものがインターネットにつながってゆく。

住宅、ビル、鉄道、自動車、オフィス、工場、農業、工業製品、農作物、等々…色々なモノが、インターネットにつながることにより、私たちの生活は大きく変化していくだろう。

すでに世界中で革新的なアイデアがどんどん生まれている。これらのアイデアの実現には、安価で、小型で、精度の高いセンサーや通信デバイス類がますます必要になってくる。

これらの電子デバイスの重要な構成部材として、ナノ粒子が注目されている。ナノ粒子はデバイスの小型化、高機能化に貢献するだけでなく、プリンティングデバイスの実用化を通して、ICタグ各種センサー類安価大量生産に貢献していくだろう。

例えば銅ナノ粒子のような金属ナノ粒子低コスト微細配線アンテナ形成部材として期待されており、有機トランジスタなどと組み合わせて、印刷法によるRFタグの安価大量生産の確立が急がれている。

もし、微細化、小型化が進み、RFタグの価格が現在の1/10以下の1円未満になれば、色々なモノにRFタグを印刷したり、貼り付けることが可能になる。すると商品の製造から、流通、販売、アフターケアまで、一貫して管理できるため、バリューチェーン全体でイノベーションが起こるだろう。

例えば、普段利用するコンビニも、大きく変わっていくだろう。商品のすべてがもし従来のバーコードによる個別読み取り方式から、RFIDシステムを用いた無線による読み取りに変わると、私たちがお店に行って商品を購入した際の、レジの清算時間が大幅に短縮されるようになるだろう。

ひとつひとつバーコードで読み取らずに、かごに入ったままの商品を無線で一瞬に読み取ることができるようになる。なので、最終的にはレジそのものが不要になるかもしれない

出口にRFIDタグの読み取りゲートを設置して、店を出る際に一瞬で清算完了というようにすることも原理上可能だからである。その際の支払いについても、電子マネーのICカードと連携して、一瞬で読み取り、支払いも同時に済ませることができるようになるかも…もうそんな時代がすぐそこまで来ている。

さらには、コンビニの商品一つ一つにRFIDタグが埋め込まれることによって、ロボットによる検品商品補充も簡単になるだろう。

特筆すべきは、RFIDタグだと無線で検品ができる点だ。バーコードだと並んでいる商品をいちいち動かしてスキャンしなければならないが、無線だと箱に入っている状態、棚に並んでいる状態のまま一瞬で検品ができる

レジの店員さんは、面倒な単純作業を減らし、お客さんのニーズに対する個別対応に時間を費やせる

ナノ粒子は、間接的にではあるが、コンビニなどの流通・小売業の生産性を上げ、サービス向上にも陰ながら貢献していくのである。

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